複素数平面【極形式編】極形式を使って回転を使いこなそう!

数学Ⅲ

今回から極形式について扱います。

こんな人に向けて書いてます!

  • 極形式って何?という人
  • 極形式の直し方を調べている人
  • 複素数の積と回転の関係があやふやな人
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1. 極座標とは

今までの数学では座標はいつも\(x\)座標と\(y\)座標(たまに\(z\)座標も)で表されていました。

これらの座標軸は常に直交しているため、直交座標系と呼ばれます。

しかし、複素数平面では、別の座標系を用いて座標を表すことがあります。


それが、「極座標系」です。


では極座標とは何なのでしょうか。


極座標系では、原点からの距離と角度によって座標を指定します。

下の図を見てください。


上の図の点\(A\)は今までの直交座標系で表すと、\((\sqrt{3},1)\)となる点です。


この点\(A\)を極座標で表すとすると、

原点\(O\)から点\(A\)までの距離は\(2\)であり、
始線\(OX\)(わかりやすく言えば\(x\)軸)から\(\displaystyle\frac{\pi}{6}\)だけ回転した点です。

そのため、この点\(A\)は極座標で表すと\(\displaystyle\left(2,\frac{\pi}{6}\right)\)となります。


このように、極座標系では、

原点\(O\)から点\(P\)までの距離が\(r\)で、
始線\(OX\)から\(\theta\)だけ回転した点\(P\)を、\((r,\theta)\)で表します


特に、\(\theta\)には名前がついていて、「偏角」といいます。


また、点\(B\)では偏角を\(\displaystyle-\frac{\pi}{2}\)としていますが、\(\displaystyle\frac{3\pi}{2}\)と見ることもできます。

一般的には、偏角\(\theta\)を\(0\leq\theta<2\pi\)で表すことが多いので、\(B\)は\(\displaystyle\left(1,\frac{3\pi}{2}\right)\)とするほうが一般的かもしれません。

極座標

平面上の点\(P\)を、原点\(O\)からの距離\(r\)と、始線\(OX\)と線分\(OP\)のなす角\(\theta\)を用いて、\(P(r,\theta)\)で表したものを極座標という。

また、\(\theta\)を偏角という。

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2. 直交座標と極座標の関係

次に、極座標\(r,\theta\)を直交座標\(x,y\)に変形する方法を考えましょう。

図に表してみるとわかりやすいです。

このように三角比を使えば極座標を直交座標に直すことができます。

逆に、直交座標を極座標に直すときは、三平方の定理から\(r=\sqrt{x^2+y^2}\)とすれば\(r\)を表せます。

しかし、\(\theta\)に関しては\(x=\cos{\theta}\) , \(y=\sin{\theta}\)を満たす\(\theta\)を逆算して求める必要があるので、やや大変です。

3. 複素数の極形式

前の項目で、直交座標\((x,y)\)を極座標\((r,\theta)\)に直す方法について述べました。

そして、複素数は複素数平面を使えば\((x,y)\)平面と同様に表すことができました。


そして、先ほどの内容を踏まえると、複素数\(z=a+bi\)について、

\(a=r\cos{\theta}\) , \(b=r\sin{\theta}\)と表せるので、

$$z=r(\cos{\theta}+i\sin{\theta})$$

という形になります。


これを、複素数\(z\)の極形式と言います。

\(r\)は\(\sqrt{a^2+b^2}\)であり、\(\theta\)は\(z\)の偏角です。

そして、複素数\(z\)の偏角を\(\arg{z}\)で表します。

極形式

複素数\(z=a+bi\)を、原点からの距離\(r=|z|=\sqrt{a^2+b^2}\)と、偏角\(\theta=\arg{z}\)を用いて、

$$z=r(\cos{\theta}+i\sin{\theta})$$

で表したものを\(z\)の極形式という。

ただし、\(\theta\)は

$$\cos{\theta}=\frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}}\ ,\ \sin{\theta}=\frac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}$$

を満たす角で、一般に\(0\leq\theta<2\pi\)となる。

4. 極形式の積・商

ここまで極形式について学んできましたが、

パイ子ちゃん
パイ子ちゃん

極形式が何なのかはわかったけど、これって結局何に役立つの?

という疑問を持っている人もいますよね。

ということで、ここからは極形式にすることのメリットを紹介します。

まず、極形式にすると、複素数の絶対値(大きさ)と偏角がわかりやすくなります。


複素数が\(z=r(\cos\theta+i\sin\theta)\)で表されていれば、大きさ\(|z|=r\)で、偏角\(\arg{z}=\theta\)というのが式をみただけですぐにわかりますね。


そして、複素数の積と商にある性質があるのですが、これも極形式に直すことで導くことができます。

ということで、とりあえず2つの複素数が

$$z_1=r_1(\cos{\theta_1}+i\sin{\theta_1})\ ,\ z_2=r_2(\cos{\theta_2}+i\sin{\theta_2})$$

という形の極形式で表されているとします。

このとき、2つの複素数の積はどうなるでしょうか。

実際に計算してみましょう。


途中で加法定理を使っています。

「加法定理って何だっけ?」という人は下の記事で三角関数の公式をまとめているので、そちらで確認しておいてくださいね。


この計算によって、2つの複素数の積\(z_1z_2\)の、

  • 大きさ\(|z_1z_2|\)は、2つの複素数の絶対値の積\(|z_1||z_2|\)になる
  • 偏角\(\arg{z_1+z_2}\)は、2つの複素数の偏角の和\(\arg{z_1}+\arg{z_2}\)になる

ということがわかります。


とくに、2つ目の方が重要で、

複素数をかけると、偏角は積ではなく和の形で表されます。

シグ魔くん
シグ魔くん

ふ〜ん、だから何?

となっているかもしれませんが、複素数平面上で考えてみましょう。

すると、偏角が和の形になるとはどういう意味になるでしょうか。

このように、複素数\(z_1\)に\(z_2\)をかけると、式としては\(z_1z_2\)になるだけですが、

複素数平面上では、\(z_1\)を\(z_2\)の偏角の分だけ回転させるという意味があります。


言い換えれば、複素数\(z\)を\(\theta\)だけ回転させたければ、
\(z\)に\(\cos{\theta}+i\sin{\theta}\)をかければいいということになります。


例を出します。

  例1  

複素数\(2+3i\)を原点の周りに\(\displaystyle\frac{\pi}{3}\)だけ回転させた点を求める。

偏角が\(\displaystyle\frac{\pi}{3}\)で大きさが\(1\)あるような複素数の極形式は、

$$\cos{\frac{\pi}{3}}+i\sin{\frac{\pi}{3}}$$

であるから、求める点は、

$$(2+3i)\left(\cos{\frac{\pi}{3}}+i\sin{\frac{\pi}{3}}\right)=(2+3i)\left(\frac{1}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2}i\right)$$

$$=\left(1-\frac{3\sqrt{3}}{2}\right)+\left(\frac{3}{2}+\sqrt{3}\right)i$$


逆に、複素数の商\(\displaystyle\frac{z_1}{z_2}\)の偏角は\(\arg{z_2-z_1}\)となります。

これも加法定理を使えば示すことができるのでやってみてくださいね!


また、原点以外の点を中心に回転させるときの方法は別のところで解説します!


今回はここまで!

次回はド・モアブルの定理について紹介します!

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