複素数平面【「ド・モアブルの定理」編】複素数のn乗を求めよう!

複素数平面【「ド・モアブルの定理」編】数学Ⅲ

今回はド・モアブルの定理について勉強していきましょう!

こんな人に向けて書いてます!

  • ド・モアブルの定理って何?という人
  • 複素数のn乗やn乗根の求め方を調べている人
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1. ド・モアブルの定理とは?

前回は極形式と複素数の積について勉強しました。

それを利用して、複素数を2乗するとどうなるか考えてみましょう。


復習として、複素数\(z_1=r_1(\cos{\theta_1}+i\sin{\theta_1})\)と\(z_2=r_2(\cos{\theta_2}+i\sin{\theta_2})\)の積がどうなるか思い出しましょう。


このとき、複素数の大きさ\(|z_1z_2|=|z_1||z_2|\)となり、複素数の偏角\(\arg{z_1z_2}=\arg{z_1}+\arg{z_2}\)となるんでしたね。


つまり、

$$z_1z_2=r_1r_2(\cos{(\theta_1+\theta_2)}+i\sin{(\theta_1+\theta_2)})$$

となるんでした。

ここで、\(z_1=z_2=z\)として、\(z=r(\cos{\theta}+i\sin{\theta})\)としてみます。

すると、

$$z\times z=r^2(\cos{\theta+\theta}+i\sin{\theta+\theta})$$

つまり、

$$z^2=r^2(\cos{2\theta}+i\sin{2\theta})$$

となります。

同様に、

$$z^3=r^3(\cos{3\theta}+i\sin{3\theta})$$ $$z^4=r^4(\cos{4\theta}+i\sin{4\theta})$$

となります。

これを\(n\)乗まで続けたものが「ド・モアブルの定理」です。

ド・モアブルの定理

\(z=\cos{\theta}+i\sin{\theta}\)とする。\(n\)を整数とするとき、

$$z^n=(\cos{\theta}+i\sin{\theta})^n=\cos{n\theta}+i\sin{n\theta}$$

となる。

ド・モアブルの定理は\(n\)がマイナスのときにも使えます。


例えば、

$$z^{-1}=\cos{(-\theta)}+i\sin{(-\theta)}$$ $$z^{-2}=\cos{(-2\theta)}+i\sin{(-2\theta)}$$

のようになります。

  例1  

\(\displaystyle\left(\cos{\frac{\pi}{12}}+i\sin{\frac{\pi}{12}}\right)^6\)の値を求める。

ド・モアブルの定理より、

$$\left(\cos{\frac{\pi}{12}}+i\sin{\frac{\pi}{12}}\right)^6=\cos{\frac{\pi}{2}}+i\sin{\frac{\pi}{2}}=i$$

このように、ド・モアブルの定理を用いると、複素数の\(n\)乗を簡単に求めることができます。

逆に、複素数の\(n\)乗根も、ド・モアブルの定理から求めることができます。

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2. 1のn乗根を求める

さて、まずは\(1\)の\(n\)乗根を求めてみましょう。

次の問題を考えてみます。

  例2  

\(1\)の\(6\)乗根を求めよ。


まず、\(1\)の\(6\)乗根を\(z\)としましょう。

つまり、\(z^6=1\)となります。


ここで、極形式を用います。

複素数の絶対値では\(|z^n|=|z|^n\)が成り立つので、

\(|z^6|=1\)より、\(|z|^6=1\)となるため、\(|z|=1\)とできます。

また、\(z\)の偏角を\(\theta\)とすると、

$$z=\cos{\theta}+i\sin{\theta}$$

と表せます。

\(z^6=1\)なので、ド・モアブルの定理を用いると、

$$z^6=\cos{6\theta}+i\sin{6\theta}$$

となります。

さらに、\(1\)も極形式に直しましょう。

すると、

$$1=\cos{0}+i\sin{0}$$

となります。

\(z^6=1\)なので、

\(\cos{6\theta}+i\sin{6\theta}\) = \(\cos{0}+i\sin{0}\)

となるので、両辺を比較してみます。

すると、\(6\theta=0\)となりますね。

シグ魔くん
シグ魔くん

じゃあ、\(\theta=0\)だね!!

と言いたい気持ちもわかりますが、\(\theta=0\)だけでは不十分です。

三角関数の性質をよく思い出してください。

sinにしてもcosにしても、一回転すると(つまり\(2\pi\)増えると)もとの値に戻りますよね?

つまり、\(6\theta=0\)だけでなく、\(6\theta=2\pi,4\pi\)なども答えになります。

パイ子ちゃん
パイ子ちゃん

でも\(\theta=0,2\pi,4\pi,\6\pi,\cdots\)ってどこまで続ければいいの?

という疑問が生じると思いますが、今回は\(z^6=1\)の解を求めているので、\(\theta\)も6個の解があることになります。

つまり、

$$\theta=0,2\pi,4\pi,6\pi,8\pi,\10\pi$$

となります。

なぜ6個かというと、そもそも極形式の\(\theta\)は\(0\leq\theta<2\pi\)の範囲で考えるのが一般的と前回に説明しました。

となると、\(0\leq6\theta<12\pi\)となりますね。

ということは、\(\cos{6\theta}+i\sin{6\theta}=\cos{0}+i\sin{0}\)の両辺を比べたとき、

\(6\theta=0+2k\pi\) (\(k\)は整数\)となりますが、\(k=6\)としてしまうと、\(6\theta=12\pi\)となり、\(0\leq6\theta<12\pi\)に反してしまいますね。

なので、\(k=0,1,2,\cdots,5\)までが\(\theta\)の条件を満たすということになり、

$$\theta=0,2\pi,4\pi,6\pi,8\pi,\10\pi$$

となるわけです。

ここで、私たちが今求めているのは\(1\)の\(6\)乗根\(z\)であり、

\(z=r(\cos{\theta}+i\sin{\theta})\)としていたので、この\(\theta\)に\(\theta=0,2\pi,4\pi,6\pi,8\pi,\10\pi\)

を代入したのが解になります。

ということで、答えは、

$$z=1,\frac{1}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2},-\frac{1}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2},-1,-\frac{1}{2}-\frac{\sqrt{3}}{2},\frac{1}{2}-\frac{\sqrt{3}}{2}$$

となります。

数学Ⅲ複素数平面
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