【背理法】を使いこなして証明を書こう!!「ルート2が無理数であることの証明」についても解説!!

背理法数と式
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今回は「背理法」を使った証明について解説します。

第1章では、「背理法って何?」「いつ使うの?」というあなたの悩みを解決します!

第2章では、みんな苦手な「\(\sqrt{2}\)が無理数であることの証明」について詳しく解説しています!


こんな人に向けて書いてます!

  • 背理法って何?という人
  • \(\sqrt{2}\)が無理数であることを証明したい人

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1. 背理法とは

いきなりですが、次の命題の証明を考えます。


命題:素数は無限に存在する。


ですが、無限に存在することを直接証明するのは難しいですよね?

そもそも無限って何だ?って話になってきます。


そこで、思い切って「素数は無限には存在しない!」と仮定してみましょう。


無限じゃない方が考えやすいですよね。


え!?そんなことしていいの?

と思っている人も多いと思います。


もちろん、素数は無限にあることが知られているので、「無限には存在しない」という仮定は誤りです。


では、誤った仮定をするとどうなるのでしょうか?


誤った仮定すれば、必ずどこかで矛盾が生じます。


逆に言えば、矛盾が生じたら仮定は誤っていた ということになります。


そうやって結論を証明する方法が背理法です。



ちなみに、素数が無限個ではないとすると、適当な自然数\(n\)を用いて、全ての素数を

$$p_1,p_2,\cdots,p_n$$

で表すことができます。

例えば、\(p_1=2\),\(p_2=3\),\(p_3=5\) とできるね!


ここで、

$$p=p_1p_2\cdots p_n+1$$

とおくと、\(p\)はどの素数\(p_1,p_2,\cdots,p_n\)で割っても\(1\)余ります。


つまり、\(p\)も素数でなければおかしいということになります。


ですが、素数は全部\(p_1,p_2,\cdots,p_n\)で表したはずなのに、\(p\)も素数であるということは矛盾します。


よって、素数は無限個ではないという仮定は間違っていたということになり、

結論として素数は無限にあるということが示されます。


この証明は難しいので、わからなくても気にしなくて大丈夫です!


背理法の手順

1. 結論の否定を仮定する:「命題\(P\)が成り立たないとすると〜」

2. 矛盾を見つけ出す

3. 1.の仮定が誤りなので、「命題\(P\)は成り立つ!!」


ではここで、背理法の練習をしてみましょう。


例題1

A,B,Cの3人のうち、2人が正直者で、1人が嘘つきである。
3人は次のような発言をしているが、このなかで嘘つきは誰か。

A「Cは嘘つきだ!」
B「Aは正直者だよ。」
C「Bは嘘をついている。」


 例題1の解説 

このような問題も背理法で解くことができます。


仮に、Aを嘘つきとしましょう。

すると、Aの発言「Cは嘘つき」は嘘になるので、Cは正直者になります。


正直者のCの発言から、Bも正直者になります。

さらに、Bも正直者なので、Bの発言からAも正直者になります。


しかし、最初にAは嘘つきと仮定したのに、Aは正直者ということになってしまい矛盾します。

よって、「Aは嘘つき」という仮定は間違いということになり、必然的にAが正直者であること決定します。


あとは正直者であることが確定したAが「Cは嘘つき」と言っているので、答えはCが嘘つきということになります。



Cが正直者と仮定しても、同じように矛盾が生じるので、やってみてください!

(例題1終わり)



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2. \(\sqrt{2}\)が無理数であることの証明

\(\sqrt{2}\)が無理数であることを証明するときにも、背理法を使います。

背理法は、無理数であることを証明するときにとても有効です。


\(\sqrt{3},\sqrt{5}\)の場合も\(\sqrt{2}\)のときと同様の方法で証明できます。


例題2

\(\sqrt{2}\)が無理数であることを証明せよ。


 例題2の解説

背理法によって証明します。

まずは、\(\sqrt{2}\)が無理数でないと仮定します。

つまり、言い換えると\(\sqrt{2}\)は有理数ということになります。


さて、有理数ということは、互いに素なある整数\(a,b\)(\(b\neq 0\))を用いて、

$$\sqrt{2}=\frac{a}{b}$$

と表すことができます。

互いに素とは?

\(a\)と\(b\)が「互いに素」とは、\(a\)と\(b\)の最大公約数が1であることを意味します。

もっと簡単にいうと、\(\displaystyle\frac{a}{b}\)がこれ以上約分できないということです。


例えば、\(\displaystyle\frac{1}{2}\)と\(\displaystyle\frac{2}{4}\)はどちらも0.5で同じ値ですが、同じ数なのに複数の表し方があると面倒ですよね。


そこで、分子と分母が互いに素という条件をつければ、\(\displaystyle\frac{1}{2}\)だけが0.5を表すことになり、一通りで表すことができるため都合がいいのです。


さて、ルートがあると嫌なので、両辺を2乗して、

$$2=\frac{a^2}{b^2}$$

とします。


両辺に\(b^2\)をかければ、

$$2b^2=a^2$$

となります。


よって、\(a^2\)は2の倍数であることがわかります。

すなわち、\(a\)も2の倍数です。

なぜ、\(a^2\)が2の倍数なら\(a\)も2の倍数?

\(a^2\)が2の倍数ということは、\(a^2\)は偶数ということになります。

もし\(a\)が奇数なら、\(a^2=a\times a\)は奇数×奇数=奇数となってしまいます。

そのため、\(a\)は偶数ということがわかります。


\(a\)が2の倍数ということがわかったので、

$$a=2k$$

と表しましょう。(ただし、\(k\)は整数)


\(2b^2=a^2\)に\(a=2k\)を代入すると、

$$2b^2=4k^2$$

すなわち、

$$b^2=2k^2$$

となります。


よって、\(b^2\)は2の倍数であり、\(b\)も2の倍数です。

ここで\(a\)と\(b\)はどちらも2の倍数ということがわかりました。


しかし、はじめに\(a\)と\(b\)は互いに素な整数と仮定していたので、\(a\)と\(b\)がどちらも2の倍数ということは矛盾しています。


この矛盾が生じたのは、最初に「\(\sqrt{2}\)は無理数でない」と仮定したためであり、

これによって必然的に「\(\sqrt{2}\)は無理数である」ということが示されました。

(例題2終わり)


数と式数学Ⅰ
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