逆・裏・対偶とは | 対偶を利用した証明の方法

逆・裏・対偶数と式
Photo by Luke Thornton on Unsplash

今回は、逆・裏・対偶について解説します。

こんな人に向けて書いてます!

  • 「逆・裏・対偶とは?」という人
  • 対偶を利用した証明の仕方を調べている人
スポンサーリンク

1. 逆・裏・対偶

まず、命題について少し復習します。


⭕️(真)か❌(偽)がはっきりと定まる式や文のことを「命題」と呼び、

命題「\(p\)ならば\(q\)」のことを、「\(p\Rightarrow q\)」と表すのでした。

(詳しくは、下の記事を参照)



ある命題「\(p \Rightarrow q\)」に対して、「」「」「対偶」というものが存在します。


それらは、次のように定義されます。


逆・裏・対偶

命題「\(p\Rightarrow q\)」に対して、

  • 「\(q\Rightarrow p\)」を、 
  • 「\(\overline{p}\Rightarrow \overline{q}\)」を、 
  • 「\(\overline{q}\Rightarrow \overline{p}\)」を、 対偶たいぐう

という。


\(\overline{p}\)は、\(p\)の否定、つまり「\(p\)ではない」という意味です。

例えば、「 \(p\) : \(x>3\) 」のとき、「 \(\overline{p}\) : \(x\leq 3\) 」となります。


逆・裏・対偶の関係をまとめると、下の図のようになります。


上の図のように、ある命題の逆と裏も互いに対偶の関係にあります。


では、逆・裏・対偶についての例を解きましょう。

例題1

命題「\(x=2\)ならば\(x^2=4\)」の逆・裏・対偶を答えよ。


 例題1の解説 

逆・裏・対偶を答えるのは割と簡単です。


まず逆ですが、これは文字通り逆にするだけです。

つまり、「\(x^2=4\)ならば\(x=2\)」です。


ちなみに、これは偽です。

なぜなら、\(x=-2\)でも\(x^2=4\)になるからです。


このように、仮定\(p\)を満たして、結論\(q\)を満たさない例を「反例」と呼びます。

ある命題が偽であることを示すためには、この反例をあげれば良いことになります。


次に裏ですが、これは仮定と結論を否定します。

\(x^2=4\)の否定は\(x^2\neq4\)であり、\(x=2\)の否定は\(x\neq2\)です。

よって、裏は、「\(x\neq2\)ならば\(x^2\neq4\)」です。


ちなみに、これも偽です。

何が反例になりそうですか?

自分で考えてみましょう。



反例が思いつきましたか?



そうですね、これも\(x=-2\)が反例になります。

実際、\(x=-2\)は仮定\(x\neq2\)を満たしますが、結論\(x^2\neq 4\)を満たしません。

(\(x^2=(-2)^2=4\))



最後に対偶ですが、これは裏の逆をとれば良いですね。

(「?」となっている人は、先ほどの図を見返しましょう。)


よって、対偶は「\(x^2\neq4\)ならば\(x\neq2\)」です。

では、対偶「\(x\neq2\)ならば\(x^2\neq4\)」は真でしょうか?偽でしょうか?

これは直接求めるのは難しいです。

そこで、次で説明する命題と対偶の関係が役に立ちます。

スポンサーリンク

2. 命題と対偶の関係

命題と対偶の関係

命題とその対偶は真偽が一致する。


もっと簡単にいうと、

  ある命題が真なら、その対偶も真であり、

  ある命題が偽なら、その対偶も偽になります。


たとえば、先ほどの例題1の命題「\(x=2\)ならば\(x^2=4\)」はもちろん真です。

そのため、対偶「\(x\neq2\)ならば\(x^2\neq4\)」も真です。


逆に、対偶の真偽がわかれば、元の命題の真偽もわかります。


対偶をどのように利用するかは、次の例題で確認しましょう。


例題2

整数\(n\)に対して、\(n^2\)が偶数ならば\(n\)も偶数であることを証明せよ。


 例題2の解説 

この命題を直接証明しようとすると、なかなか大変です。

\(n^2\)が偶数なので、\(n^2=2k\)と置いたとして、そこから\(n\)が偶数であることを示すのは厳しいです。


このように、直接証明するのが難しい命題では、対偶から考えると楽になることがしばしばあります。

「\(n^2\)が偶数ならば\(n\)も偶数」の対偶は、「\(n\)が奇数ならば\(n^2\)も奇数」です。


仮定は\(n\)が奇数なので、整数\(k\)を用いて\(n=2k+1\)とおきましょう。


すると、

  \(n^2=(2k+1)^2\)

  \(\hspace{1em}=4k^2+4k+1\)

  \(\hspace{1em}=2(2k^2+2k)+1\)

となります。


\(2k^2+2k\)は整数なので、これを\(M\)と置けば、

  \(n^2=2M+1\)

となり、\(n^2\)も奇数であることがわかります。


よって、対偶「\(n\)が奇数ならば\(n^2\)も奇数」が真ということがわかりました。


ここで、ある命題とその対偶の真偽が一致することを用いると、

もともとの命題「\(n^2\)が偶数ならば\(n\)も偶数」も真ということがわかるので、これで証明できました。

(証明終わり)


このように、直接証明するのが難しいときは対偶をとると簡単に証明できることがあります。

また、対偶をとる他に、背理法によって証明する方法もあります。

(詳しくは下の記事より)


直接証明するのではなく、対偶や背理法などを用いて間接的に証明することを間接証明法といいます。

間接証明法はとても便利なので、しっかりマスターしておきましょう!

数と式数学Ⅰ
スポンサーリンク
OchibaAtsuoをフォローする
ますますmathが好きになる!魔法の数学ノート

コメント

タイトルとURLをコピーしました