部分積分はこうやって計算しよう!!部分積分の公式と計算の「裏ワザ」

部分積分が圧倒的に早く・正確になる裏ワザ数学Ⅲ

今回は部分積分について、解説します。

第1章では、部分積分の計算の仕方と、どのようなときに部分積分を使うのかについて、例を交えながら説明しています。

第2章では、部分積分の計算を圧倒的に早くする「裏ワザ」を3つ紹介しています!

「部分積分は時間がかかってうんざり」という人は必見です!

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1. 部分積分とは?

部分積分の公式

まずは部分積分の公式から確認していきます。


ですが、ぶっちゃけたことを言うと、

部分積分の公式なんて覚えなくても、やり方さえ覚えていれば、普通に計算できます。


ちなみに、私は大学で数学を専攻していますが、部分積分の公式なんて高校の頃から一度も覚えたことありまん(笑)

なので、ここはさっさと飛ばして次の節「部分積分の計算の仕方」を読んでもらって大丈夫ですよ。


ですが、中には「部分積分の公式を知りたい!」と言う人もいるかもしれないので、その人のために公式を載せておきますね!

部分積分法

\(\displaystyle\int{f'(x)g(x)}dx\)\(\displaystyle =f(x)g(x)-\int{f(x)g'(x)}dx\)

ちなみに、証明は「積の微分」の公式から簡単にできるよ!



部分積分の計算の仕方

さて、前の節で部分積分の公式を紹介しました。

でも、この後の解説で部分積分の公式が必要になることは1回もないので、さっさと忘れてもらって大丈夫です(笑)


なんで部分積分の公式を覚える必要がないのかというと、手順さえ覚えておけば公式を覚えていなくても積分できるからです。


部分積分の公式を図にすると下のようになります。

部分積分法


上の図に示したように、部分積分は\(f'(x)\)と\(g(x)\)の積を積分する際に用います。


\(f'(x)\)の方は右辺で積分されて、\(g(x)\)の方は右辺で微分されています。


そして重要なのは、積分するほうは最初から積分されますが、微分する方は1回目はそのままで、2回目(インテグラルの中)で微分します。


これだけ覚えておけば、公式を覚えていなくてもなんとかなりますよね。


あとは、インテグラルの前の符号がマイナスである点にさえ気をつければ部分積分終わりです。


実際に部分積分の例を出しておきます。

\(\displaystyle \int{x\sin{3x}}dx\)

\(\displaystyle =x\left(-\frac{1}{3}\cos{3x}\right)-\int{\left(-\frac{1}{3}\cos{3x}\right)}dx\)

\(\displaystyle =-\frac{1}{3}x\cos{3x}+\frac{1}{9}\sin{3x}+C\)

(\(C\)は積分定数)


部分積分では、片方は微分されて、もう片方は積分されましたね。

この例では、\(x\)の方が微分されて、\(\sin{3x}\)の方が積分されています。


そしてポイントは、

「積分する方は最初から積分して、微分する方は2回目から微分する」

でしたね!


すると、下のようになります。



このように部分積分は、「積分する方は最初から積分して、微分する方は2回目から微分する」ということを覚えておけば、公式を覚えなくても計算できます!



部分積分のポイントは、

「積分する方は最初から積分して、微分する方は2回目から微分する!」



部分積分はいつ使う?

ここまで部分積分の計算の仕方を説明してきました。

では、部分積分はいつ使えばいいのでしょうか?


部分積分は、片方は微分されて、もう片方は積分されるというのが特徴でした。


なので、被積分関数のうち、

  1. 一部は積分されても式が複雑にならない関数で、
  2. 残りの部分は微分すると式が簡単になる関数である

この2つの条件が満たされるときは部分積分を使うときが多いです。


「積分されても式が複雑にならない関数」とは、\(e^x\)や\(\sin{x}\)、\(\cos{x}\)などで、

「微分すると式が簡単になる関数」とは、\(x\)の多項式(\(x\)や\(x^2\)など)や\(\log{x}\)などです。


先ほどの節で、\(\displaystyle \int{x\sin{3x}}dx\)を部分積分で解きましたが、これも\(\sin{3x}\)という「積分されても式が複雑にならない関数」と、\(x\)という「微分すると式が簡単になる関数」の積になっていることがわかると思います。


他にも、\(xe^x\)や\(x\log{x}\)などが部分積分を使うとうまくいく例です。



  1. 一部は積分されても式が複雑にならない関数で、
  2. 残りの部分は微分すると式が簡単になる関数である

この2つの条件が満たされるときに部分積分を使う!


もちろん、この条件に当てはまらないときでも部分積分を使うこともあります。


たとえば、\(\int{\log{x}}dx\)などがその例です。

\(\log{x}\)の積分については別の記事で詳しく解説しているので、興味がある方はそちらも読んでみてください!



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2. 部分積分の「裏ワザ」

第1章で部分積分の計算方法はマスターしていただけと思います。

ですが、部分積分って式が複雑で計算に時間がかかるし、面倒臭いですよね。


そこでこの章では、部分積分を楽にする「裏ワザ」を紹介します!


3つの「裏ワザ」を紹介していますが、全部覚えるのは大変という人は、最初の「ほぼいつでも使える裏ワザ」だけでも十分役に立ちます!


余裕があれば、残りの2つも見てくださいね!


ほぼいつでも使える裏ワザ

いきなり結論から入ります。

裏ワザとは、ずばり「表を使う」ということです。


どんな表を使うのか、\(\displaystyle \int{x\sin{3x}}dx\)を例にして説明します。


表を作る前に、まず、どこが「積分されても式が複雑にならない関数」で、どこが「微分すると式が簡単になる関数」かを判断します。


これらの判断の仕方は、前の章で解説しました。


\(\displaystyle \int{x\sin{3x}}dx\)なら、\(\sin{3x}\)「積分されても式が複雑にならない関数」で、\(x\)「微分すると式が簡単になる関数」ですね。


そしたら、次のような表を書きましょう。


そしたら、微分の方は、すぐに微分したくなる気持ちを押さえて、\(x\)をそのまま下に書きます。

積分の方は、すぐさま積分しましょう。


そしたら、微分する方は、上の式を微分して下に書きます。

積分する方も同様に、上の式を積分して下に書きます。


あとは、どんどん微分と積分を繰り返していきます。

そして、微分する方が定数になったらそこで終了です。

今回は2行で定数\(1\)になります。


あとは、表を横に見て、それぞれを掛け合わせれば終わりです。


上の図で、積分定数\(C\)を書き忘れていますが、皆さんは忘れないようにしましょう。


どうでしょう、こちらの方が簡単ですよね?


練習用に例題を1問載せておきます。

例題1

次の不定積分を求めよ。

$$\int{x^2e^{-x}}dx$$


 例題1の解説 

まずは、どの関数を微分して、どの関数を積分するか決めましょう。


もちろん\(x^2\)を微分して、\(e^{-x}\)を積分しますよね。


あとは、下のように表を書いていきましょう!

微分する方は1回待つ!」ということにだけ注意しましょう!!!


よって答えは、上の図にも書いてあるように、

\(\displaystyle \int{x^2e^{-x}}dx\)\(=-x^2e^{-x}-2xe^{-x}-2e^{-x}+C\)

(\(C\)は積分定数)

となります!

(例題1終わり)




瞬間部分積分法

次に、「瞬間部分積分」という方法を紹介します。


瞬間部分積分は、被積分関数が、

\(x\)の多項式と\(\sin{x}\)の積
または
\(x\)の多項式と\(\cos{x}\)の積

に有効です。


計算の仕方は、

  1. \(x\)の多項式はそのまま、sinまたはcosの方は積分
  2. \(x\)の多項式も、sinまたはcosも微分
  3. 2を繰り返し、すべて足す

です。


積分は最初の1回だけという点がポイントです。


例題で確認してみましょう。


例題2

次の不定積分を求めよ。

$$\int{x^2\cos{x}}dx$$


 例題2の解説 

先ほど紹介した計算の手順に沿って解説します。

まず、「1. \(x\)の多項式はそのまま、sinまたはcosの方は積分」によって、

$$x^2\sin{x}$$

が出てきます。


次に、「2. \(x\)の多項式も、sinまたはcosも微分」なので、
\(x^2\)を微分すると\(2x\)、\(\sin{x}\)を微分すると\(cox{x}\)となるので、

$$2x\cos{x}$$

を得ます。


あとは、同じように微分を繰り返します。

\(2x\)を微分して\(2\)、\(cos{x}\)を微分して\(-\sin{x}\)となるので、

$$-2\sin{x}$$

ですね。


ここで\(x\)の多項式が定数\(2\)になったので終了です。


最後に全てを足し合わせれば、

$$x^2\sin{x}+2x\cos{x}-2\sin{x}+C$$

となるので、これが答えです!


瞬間部分積分の例

(例題2終わり)



瞬間部分積分は、sinやcosの中が\(x\)のときにのみ有効な方法です。

つまり、\(\sin{2x}\)や\(\cos{x^2}\)のときには使えません。



\(x\)の多項式と\(e^x\)の積になっているときに使える「裏ワザ」

最後に、\(x\)の多項式と\(e^x\)の積になっているときに使える「裏ワザ」について紹介します。

\(xe^x\)や\(x^2e^{-x}\)などがその例です。


積分するとどのような式になるか、早速結論を書いてしまいましょう。


\(\displaystyle\int{f(x)e^x}=\) \(\displaystyle\left(f-f^\prime+f^{\prime\prime}-f^{\prime\prime\prime}+\cdots\right)e^x+C\)

\(\displaystyle\int{f(x)e^{-x}}=\) \(\displaystyle – \left(f+f^{\prime}+f^{\prime\prime}+f^{\prime\prime\prime}+\cdots\right)e^{-x}+C\)


このように、\(f(x)\)を微分するだけで答えを求めることができます!


上の公式は、\(e^x\)または\(e^{-x}\)のときのみ有効な方法です。

一般に\(e^{ax}\)に対しては、

\(\displaystyle\int{f(x)e^{ax}}=\) \(\displaystyle\left(\frac{f}{a}-\frac{f^\prime}{a^2}+\frac{f^{\prime\prime}}{a^3}-\frac{f^{\prime\prime\prime}}{a^4}+\cdots\right)e^x+C\)

となります。


では、これも例題で確認してみましょう!


例題3

次の不定積分を求めよ。

$$\int{x^3e^x}dx$$


 例題3の解説 

\(x\)の多項式と\(e^x\)の積になっていますね。

そしたら、\(x\)の多項式である\(x^3\)を繰り返し微分します。

  • x^3
  • 3x^2
  • 6x
  • 6


あとは、これらに符号をプラス、マイナスの順に交互につけて、\(e^x\)でくくればいいので、

答えは、

\(\displaystyle \int{x^3e^x}dx\)

\(\displaystyle \hspace{1em}=(x^3-3x^2+6x-6)e^x+C\)

(\(C\)は積分定数)

となります!

(例題3終わり)




おすすめの参考書

坂田アキラ大先生の黄色い本のシリーズです!

非常にわかりやすく読みやすい本なので、数学が苦手な人には特におすすめです!


ふたたびの微分・積分

とてもわかりやすい上に、スラスラ読むことができるのでおすすめです!


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数学Ⅲ積分法(数Ⅲ)
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