【行列】って何?どうやって計算する?行列の和・スカラー倍・積の計算を覚えよう!

行列の計算を覚えよう!大学数学

今回から「行列」について紹介します。


高校数学の範囲を越えていますが、昔は行列も高校で習っていた範囲なので、高校生の方でも理解できる内容だと思います。


特に第3章の行列の積は、大学生でも苦手な人が多いところなので必見です!


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1. 行列とベクトルとは?

ベクトルとは?

ベクトルの定義

ベクトル」は高校の数学Bでも登場しますね。

数字を横に並べたもののがベクトルだよね!

(高校の)ベクトルの例

\(\vec{a}=(x,y)\) , \(\vec{b}=(x,y,z)\)


高校で学んだベクトルは、成分が2つか3つがほとんどだったと思いますが、これから使うベクトルでは成分が4つ以上のこともあります。


さらに、ベクトルを表すときに矢印を使うのではなく、小文字のアルファベットの太文字で表します。


つまり、一般に\(n\)次元ベクトル \(\bf x\) は、

$${\bf x}=(x_1,x_2,\cdots,x_n)$$

で表します。


また、ベクトルは横ではなく縦で表すこともあります。

\({\bf y}=
\left(
\begin{array}{c}
y_1 \\
y_2 \\
\vdots \\
y_n
\end{array}
\right)\)


横に並べたベクトルを「行ベクトル」
縦に並べたベクトルを「列ベクトル」というよ!

行ベクトルと列ベクトル

行列とは?

行列の定義

次に行列について説明します。

まずは「行列」とは何なのかを定義するところから始めましょう!


行列

数を長方形状に並べたものを行列という。


\(m\times n\)行列\(A\)を、

\(
A=\left(
\begin{array}{cccc}
a_{11} & a_{12} & \cdots & a_{1n} \\
a_{21} & a_{22} & \cdots & a_{2n} \\
\vdots & \vdots & & \vdots \\
a_{m1} & a_{m2} & \cdots & a_{mn}
\end{array}
\right)
\)

のように表すよ!

\(m\times n\)行列は、縦が\(m\)個で、横が\(n\)個だね!


行列の例

行列の例

\(3\times3\)行列\(B\)

\(
B=\left(
\begin{array}{ccc}
1 & 2 & 3 \\
4 & 5 & 6 \\
7 & 8 & 9
\end{array}
\right)
\)


\(2\times4\)行列\(C\)

\(
C=\left(
\begin{array}{cccc}
\sqrt{5} & 0 & e & \log{2} \\
\pi & x & 3 & 0 \\
\end{array}
\right)
\)

行列は基本的に大文字で表すよ!


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2. 行列の和・差・スカラー倍

さて、次は行列の足し算と引き算について考えましょう!


行列の和・差

行列の和・差の定義

行列の和

行列\(A,B\)がともに同じ大きさであるとき、対応する成分をそれぞれ足して得られる行列を

を行列のといい、\(A+B\)で表す。


行列の大きさが違うときは、行列の和・差は定義できません。

例えば、\(2\times3\)行列と\(3\times 4\)行列の和は定義できません。


上の和の定義の\(+\)を\(-\)に変えれば、行列の\(A-B\)も定義できます!


例題

では、行列の和と差の計算の練習をしてみましょう!


例題1

\(A=\left(
\begin{array}{ccc}
1 & 2 & 3 \\
4 & 5 & 6
\end{array}
\right)
B=\left(
\begin{array}
‘0 & 2 & 1 \\
1 & 2 & 4
\end{array}
\right)
\)

とするとき、\(A\)と\(B\)の和\(A+B\)と、差\(A-B\)を求めよ。


 例題1の解説 

簡単なので、解説するまでもないと思いますが念のため(笑)


行列の和は、成分どうしを足せばいいので、

\(A+B\)

\(=\left(
\begin{array}{ccc}
1+0 & 2+2 & 3+1 \\
4+1 & 5+2 & 6+4
\end{array}
\right)\)

\(=\left(
\begin{array}{ccc}
1 & 4 & 4 \\
5 & 7 & 10
\end{array}
\right)\)


同じように、行列の差は、

\(A-B\)

\(=\left(
\begin{array}{ccc}
1-0 & 2-2 & 3-1 \\
4-1 & 5-2 & 6-4
\end{array}
\right)\)

\(=\left(
\begin{array}{ccc}
1 & 0 & 2 \\
3 & 3 & 2
\end{array}
\right)\)

となりますね!

(例題1終わり)



行列のスカラー倍

行列のスカラー倍の定義

スカラー倍とは、定数倍のことです。

行列のスカラー倍

\(A\)を行列、\(c\)を実数とする。

このとき、\(A\)の各成分を\(c\)倍して得られる行列を\(cA\)で表す。


例えば、行列\(A\)を、

\(A=\left(
\begin{array}{ccc}
1 & 2 & 3 \\
4 & 5 & 6
\end{array}
\right)\)

とすると、

\(2A=\left(
\begin{array}{ccc}
2 & 4 & 6 \\
8 & 10 & 12
\end{array}
\right)
\)

\(-3A=\left(
\begin{array}{ccc}
-3 & -6 & -9 \\
-12 & -15 & -18
\end{array}
\right)
\)

のようになります。


3. 行列の積

さて、最後は行列の掛け算です。


下に載せた定義を見てもわからないと思いますが気にしなくて大丈夫!

例題も載せたので、そちらで確認しましょう!


行列の積の定義

行列の積

\(A\)を\(l\times m\)行列、\(B\)を\(m\times n\)行列とする。

\(A\)の第\(i\)行を左から、\(B\)の第\(j\)列を上から数えたときに、対応する成分の積を\(m\)個加えて得られる数を\(c_{ij}\)としたとき、第\((i,j)\)成分を\(c_{ij}\)とする\(l\times n\)行列\(C\)を\(A\)と\(B\)のといい、\(C=AB\)で表す。

横が「行」で、縦が「列」だよ!

難しそう……

単に成分同士をかけるだけじゃないんだね……



言葉だけ見てもさっぱりわからないと思うので、例題で確認してみましょう!



例題

例題2

\(A=\left(
\begin{array}{ccc}
1 & 2 & 3 \\
4 & 5 & 6
\end{array}
\right) \ , \
B=\left(
\begin{array}{cc}
1 & 2 \\
3 & 4 \\
5 & 6
\end{array}
\right)
\)

とする。

このとき、積\(AB\)と\(BA\)を求めよ。


 例題2の解説 

まず、行列の積を計算するときは、\(l\times m\)行列\(A\)と\(m\times n\)行列\(B\)のように、行列\(A\)の列の数と、行列\(B\)の行の数が一致していなければなりません。


今回の問題なら、\(A\)は\(2\times3\)行列で、\(B\)は\(3\times2\)行列です。

行列\(A\)の列の数と、行列\(B\)の行の数はどちらも3で一致していますね。

なので、積\(AB\)が定義できます。


そして、積\(AB\)は\(2\times2\)行列になることもわかりますね。



まずは、\(AB\)の\((1,1)\)成分から考えましょう。

\((1,1)\)成分というのは、1行1列目の成分ということだよね!


\(A\)の1行目は \((1,2,3)\) で、Bの1列目は \((1,3,5)\) ですね。

それぞれの同じ順番にあるものをかけて、それらの総和を求めます。


つまり、

$$1\times1+2\times3+3\times5=22$$

となります。


行列の積の例


この「22」が、積\(AB\)の\((1,1)\)成分になります。


では、\((1,2)\)成分はどうなるでしょうか?

これは、\(A\)の第1行 \((1,2,3)\) と、\(B\)の第2列 \((2,4,6)\) を考えればいいですね!


よって、\(AB\)の\((1,2)\)成分は、

$$1\times2+2\times4+3\times6=28$$

となります。


行列の積の例


以下、同様にして、

\((2,1)\)成分は、

$$4\times1+5\times3+6\times5=49$$

\((2,2)\)成分は、

$$4\times2+5\times4+6\times6=64$$

となるので、

\(AB=\left(
\begin{array}{cc}
22 & 28 \\
49 & 64 \\
\end{array}
\right)\)

となります!



また、積\(BA\)も同じようにして考えることができます。

行列\(B\)は\(3\times2\)行列で、行列\(A\)は\(2\times3\)行列で、\(B\)の列の数と\(A\)の行の数が2で一致しているので積\(BA\)が定義できて、\(BA\)は\(3\times3\)行列になります。

あれ、\(AB\)は\(2\times2\)行列だった気が…

\((1,1)\)成分を考えるときは、\(B\)の第1行\((1,2)\)と、\(A\)の第1列\((1,4)\)に注目するんでしたね?


すると、

$$1\times1+2\times4=9$$

となるので、\((1,1)\)成分は9です。


他の成分は自分でやってみましょう!


ちなみに、答えは

\(BA=\left(
\begin{array}{ccc}
9 & 12 \\
19 & 26 \\
29 & 40
\end{array}
\right)\)

となります。

(例題2終わり)



やっぱり\(AB\)と\(BA\)が違う行列になってるよ!!

そうなんです。

じつは、行列の積は交換法則が成り立ちません。


そのため、\(AB=BA\)は一般に成り立たないので注意しましょう!



さて、今回はここまで!

次回からは、行列が何に役立つのかについて紹介していきます!

大学数学
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