関数が「微分可能」であることと「連続」の関係性;例題つきでわかりやすく解説!

関数が微分可能とは?微分法(数Ⅲ)
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今回は、「関数が『微分可能』である」ということについて解説します!


「微分可能」は「連続」とセットで勉強するのがおすすめだよ!


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1. 微分可能とは

微分可能のイメージ

前回まで解説していた「連続」は、

  • グラフがつながっていれば連続
  • グラフが途切れていれば不連続

というイメージでした。


連続の意味


一方、今回扱う「微分可能」は、次のようにイメージすると良いです!

  • グラフが滑らかなら微分可能
  • グラフが尖っていれば微分不可能


しかし、「滑らか」や「尖っている」という感覚は人によって異なるので、

これを微分可能の定義とするのはよろしくありません。


そこで、数学的に定義すると次のようになります。


微分可能

$$f^\prime(a)=\lim_{h\to 0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}$$

が有限の値に収束するとき、関数 \(f(x)\) は \(x=a\) で微分可能という。

\(f^\prime(a)\) は微分係数と呼ぶんだったね!

例えば、関数 \(f(x)=x^2\) は、

$$\lim_{h\to 0}\frac{f(0+h)-f(0)}{h}=\lim_{h\to 0}\frac{h^2}{h}=\lim_{h\to 0}h =0$$

となり、有限の値に収束しています。


よって、\(f(x)=x^2\) は \(x=0\) で微分可能となります!


確かにグラフも尖ってないよね!


「微分可能」でないとは

微分可能ではないとは、

$$f^\prime(a)=\lim_{h\to 0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}$$

が有限の値に収束しないときであり、つまり、

  • \(f^\prime(a)=\pm\infty\) である
  • \(f^\prime(a)\) が存在しない

のどちらかになります。


大抵の場合、「微分可能でないことを示せ」というような問題が出た場合は、

\(f^\prime(a)\) が存在しない」場合が多いです。



\(f^\prime(a)\) が存在しない」ってどういうこと?

という人は、連続のときを思い出してください。


極限

$$f^\prime(a)=\lim_{h\to 0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}$$

が存在しないのは、

左側極限 \(\displaystyle \lim_{h\to -0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}\) と 右側極限 \(\displaystyle \lim_{h\to +0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}\) が一致しないときでした。



左側極限の式を「左微分係数」といい \(f^\prime_-(a)\) と書き、

右側極限の式を「右微分係数」といい、\(f^\prime_+(a)\) と書いたりします。

$$f^\prime_-(a)=\lim_{h\to -0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}$$

$$f^\prime_+(a)=\lim_{h\to +0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}$$


ここまでを踏まえると、関数 \(f(x)\) が \(x=a\) で微分可能であるためには、

\(f^\prime_-(x)=f^\prime_+(x)\) が成り立つことが必要十分条件となります。


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2. 例題

例題1

例題1

関数 \(f(x)=|x|\) は \(x=0\) で微分可能でないことを示せ。

グラフを書くと \(x=0\) で尖ってそうだから、

微分可能ではなさそうだね!


 例題1の解説 

\(x=0\) で微分可能でないことを示すためには、

$$f^\prime(0)=\lim_{h\to 0}\frac{f(h)-f(0)}{h}$$

が有限の値に収束しないことを示せば良いです。


実際に計算してみると、

$$\lim_{h\to 0}\frac{f(h)-f(0)}{h}=\lim_{h\to 0}\frac{|h|}{h}$$

となります。


ここで、

\(h>0\) なら \(|h|=h\) なので、\(\displaystyle\frac{|h|}{h}=1\)であり、

\(h<0\) なら \(|h|=-h\) なので、\(\displaystyle\frac{|h|}{h}=-1\)です。


つまり、\(h\) を 左側から \(0\) に近づけたときは、

$$f^\prime_-(0)=-1$$

であり、\(h\) を 右側から \(0\) に近づけたときは、

$$f^\prime_+(0)=1$$

となり、左微分係数と右微分係数が一致しないので微分可能ではありません。

(例題1終わり)



例題2

例題2

次の関数 \(f(x)\) は \(x=0\) で微分可能かどうか調べよ。

\(\displaystyle f(x)=\left\{
\begin{align}
& x\sin{\frac{1}{x}} && (x\neq 0)\\
& 0 && (x=0)
\end{align}
\right.\)


 例題2の解説 

例題1と同じで、

$$f^\prime(0)=\lim_{h\to 0}\frac{f(h)-f(0)}{h}$$

がどうなるかを調べましょう。


すると、

\(\displaystyle\begin{align}\lim_{h\to 0}\frac{f(h)-f(0)}{h}&=\lim_{h\to 0}\frac{h\sin{\frac{1}{h}}-0}{h}\\
&=\lim_{h\to 0}\sin{\frac{1}{h}}
\end{align}\)

となりますが、\(\displaystyle \sin{\frac{1}{h}}\) は \(h\to 0\) で振動します。

感覚的には、\(\sin{\infty}\) だけど、

sin は -1 から 1 までの値を動き続けるから、

収束しないんだったね!


よって、極限が存在しないので \(f(x)\) は \(x=0\) で微分可能ではありません。


y = x * sin(1/x) のグラフ
(参考)y = x * sin(1/x) のグラフ

(例題終わり)



例題3

例題3

次の関数 \(f(x)\) は \(x=0\) で微分可能かどうか調べよ。

\(\displaystyle f(x)=\left\{
\begin{align}
& x^2\sin{\frac{1}{x}} && (x\neq 0)\\
& 0 && (x=0)
\end{align}
\right.\)


 例題3の解説 

例題2とほとんど同じ形だし、どうせ微分不可能でしょ

と思っている方も多いと思いますが、本当にそうでしょうか?


まずはいつも通り

$$f^\prime(0)=\lim_{h\to 0}\frac{f(h)-f(0)}{h}$$

がどうなるか調べましょう。


すると、

\(\displaystyle \begin{align}
\lim_{h\to 0}\frac{f(h)-f(0)}{h}&=\lim_{h\to 0}\frac{h^2\sin{\frac{1}{h}}-0}{h}\\
&=\lim_{h\to 0}h\sin{\frac{1}{h}}
\end{align}\)

となります。


さて、

$$\lim_{h\to 0}h\sin{\frac{1}{h}}$$

が何になるかわかりますか?

連続のときにやったような…


大雑把に考えると、

\(h\) は \(0\) になり、

\(\displaystyle \sin{\frac{1}{h}}\) は \(-1\) から \(1\) までの間になるので

それらの積である \(\displaystyle h\sin{\frac{1}{h}}\) は \(0\) になります。



これを厳密に示すなら、はさみうちの原理を使いましょう。

$$-1 \leq \sin{\frac{1}{h}} \leq 1$$

であるから、すべての辺に \(h\) をかけると、

$$-h \leq h\sin{\frac{1}{h}} \leq h$$

となります。


もちろん

$$\lim_{h\to 0} h = \lim_{h\to 0} (-h) = 0$$

ですね。


よって、はさみうち原理より、

$$\lim_{h\to 0}\frac{f(h)-f(0)}{h}=\lim_{h\to 0}h\sin{\frac{1}{h}}=0$$

となり、有限の値に収束しています。


したがって、\(f(x)\) は \(x=0\) で微分可能となります。


y = x^2 * sin(1/x) のグラフ
(参考)y = x^2 * sin(1/x) のグラフ

(例題終わり)



3. 連続と微分可能

連続と微分可能について、次の関係が成り立ちます。


関数 \(f(x)\) が \(x=a\) で微分可能ならば、\(x=a\) で連続である。


しかし、ややこしいことに逆は成り立ちません。


関数 \(f(x)\) が \(x=a\) で連続であっても、\(x=a\) で微分可能とは限らない。


どっちが成り立つか覚えられないよ!!

という人は、連続と微分可能のイメージを思い出しましょう!



連続は、グラフがつながっているイメージで、

微分可能は、グラフが滑らかなイメージでした。


グラフが滑らかなら、グラフがつながってないとおかしいですよね?

対偶を取れば、グラフが途切れていたら、滑らかとは言えないよね!


ということで、微分可能なら連続ということがわかると思います。


逆に、グラフがつながっていても、滑らかとは限りませんよね?

例題1で、\(y=|x|\) のグラフは \(x=0\) でつながっていたけど、尖っていたよね!

なので、連続なら微分可能とは限らないということがわかります。



「グラフのイメージだけじゃ、本当に成り立つかわからないぞ!!」

という数学頑固おやじのために、証明も書いておきましょう。


主張

関数 \(f(x)\) が \(x=a\) で微分可能ならば、\(x=a\) で連続である。


 証明 

関数 \(f(x)\) は \(x=a\) で微分可能とすると、定義より、

$$f^\prime(a)=\lim_{h\to 0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}$$

が存在する。


よって、

\(\begin{align}
&\lim_{h\to 0} \{f(a+h)-f(a)\}\\
&\quad =\lim_{h\to 0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}h\\
&\quad =f'(a)\cdot 0\\
&\quad = 0
\end{align}\)

となるので、

$$\lim_{h\to 0}\{f(a+h)-f(a)\}=0$$

より、

$$\lim_{h\to 0}f(a+h)=f(a)$$

が成り立つ。


\(x=a+h\) とすれば、\(h\to 0\) のとき \(x\to a\) であるから、

$$\lim_{x\to a}f(x)=f(a)$$

となるので、\(f(x)\) は \(x=a\) で連続である。

(証明終わり)

微分法(数Ⅲ)数学Ⅲ
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