【方べきの定理】証明や使い方について;「方べきの定理の”逆”」についても解説!

方べきの定理図形の性質


今回は方べきの定理を扱います。

方べきの定理は2パターンあるので、それぞれの使い方や証明について解説しています!

第3章で、「方べきの定理の逆」についても紹介しています!


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1. 方べきの定理(その1)

結論

方べきの定理(その1)

円の2つの弦 \(AB \ , \ CD\) (の延長)の交点を \(P\) とする。

このとき、

$$PA\cdot PB=PC\cdot PD$$

が成り立つ。

点 \(P\) は 円の内部にあるとき と 外部にあるとき があるんだね!

\(PA \cdot PB = PC \cdot PD\) は、「2弦の交点 \(P\) からの長さの積が等しい」ということになります。



右の図の方(\(P\) が円の外部にあるとき)で、\(PA\cdot AB = PC\cdot CD\) という勘違いをする人が多いですが、

「交点 \(P\) からの長さの積が等しい」ということをちゃんと覚えておけば間違えなくなるはずです!


例題

例題1

下の図において、\(x\) の値を求めよ。

ただし、\(O\) は円の中心である。


 例題1の解説 

(1) から解説します。


まず、方べきの定理を使うために、2弦の交点からの長さを求めましょう。


弦 \(AB\) と \(CD\) の交点は \(P\) なので、\(PA \ , \ PB \ , \ PC \ , \ PD\) の長さを求めます。


図より、\(PC=3 \ , PD=4\) はすぐにわかります。


残りの \(PA \ , \ PB\) に関しても簡単に求められます。


円の半径は \(4\) なので、\(AO=4\) です。

円の半径は \(OB=4\) だね!

よって、

$$PA=AO-PO=4-x$$

となります。


一方、\(PB\) は、

$$PB=PO+OB=x+4$$

ですね。



あとは、方べきの定理より、

$$PA\cdot PB=PC\cdot PD$$

なので、

$$(4-x)(x+4)=3\cdot 4$$

$$16-x^2=12$$

$$x^2=4$$


\(x\) は辺の長さなので、\(x>0\) より、\(x=2\) が答えです!



(2) についても同じ考え方です。


円の半径が \(3\) なので、

$$PC=PO-CO=x-3$$

$$PD=PO+OD=x+3$$

です。


よって、方べきの定理より、

$$PA\cdot PB=PC\cdot PD$$

$$5\cdot 8 =(x-3)(x+3)$$

$$40=x^2-9$$

$$x^2=49$$


\(x>0\) より、\(x=7\) となります!


(例題1終わり)



証明

点Pが円の内部にあるとき


方べきの定理の証明では、相似の関係をつかいます。


まずは、\(\triangle{PAC}\) \(\triangle{PDB}\) を示しましょう。


\(\angle{PAC}\) と \(\angle{PDB}\) は、どちらも弧 \(CB\) に対する円周角です。


同じ弧に対する円周角は等しい(円周角の定理)ので、

$$\angle{PAC}=\angle{PDB}$$

が成り立ちます。


同じく、弧 \(AD\) に対する円周角の定理より、

$$\angle{PCA}=\angle{PBD}$$

が成り立つことがわかります。



もしくは、対頂角が等しいことを使えば、

$$\angle{APC}=\angle{DPB}$$

が成り立ちます。


いずれにせよ、これで2つの角がそれぞれ等しいことがわかったので、相似条件より

\(\triangle{PAC}\) \(\triangle{PDB}\)

となります。



相似な図形では、対応する辺の比は等しいので、

$$PA:PC=PD:PB$$

が成り立ちます。


比は「内側の積=外側の積」となるので、

$$PA\cdot PB=PC\cdot PD$$

となり、方べきの定理(その1)の式が得られました!


点Pが円の外部にあるとき


点Pが円の外部にあるときも、内部にあるときと同じく、相似の関係を使います。


ということで、\(\triangle{PAC}\) \(\triangle{PDB}\) を示しましょう。

まず、\(\angle{PAC}=\angle{PDB}\) を示すために、次の性質の②を使います。


円に内接する四角形

四角形が円に内接するとき、次が成り立つ。

① 対角の和は \(180^\circ\)

② 内角は、その対角の外角に等しい。


逆に①,②が成り立つ四角形は円に内接する。


四角形 \(ABCD\) は円に内接しているので、

\(\angle D\) は \(\angle A\) の外角に等しく、

\(\angle B\) は \(\angle {C}\) の外角に等しくなります。


つまり、

$$\angle{PAC}=\angle{PDB}$$

$$\angle{PCA}=\angle{PBD}$$

となります!



もしくは、\(\angle{APC}\) と \(\angle{DPB}\) が共通の角であることを用いれば、

$$\angle{APC}=\angle{DPB}$$

が成り立ちます。



いずれにせよ、これで2つの角がそれぞれ等しいことがわかったので、相似条件より

\(\triangle{PAC}\) \(\triangle{PDB}\)

となります。


あとは、Pが円の内部にあるときと全く同様です。


つまり、相似な図形では、対応する辺の比は等しいので、

$$PA:PC=PD:PB$$

となり、「内側の積=外側の積」より、

$$PA\cdot PB=PC\cdot PD$$

が成り立ちます。


これで、Pが円の外部にあるときも、方べきの定理(その1)の式が成り立つことがわかりました!


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2. 方べきの定理(その2)

結論

方べきの定理(その2)

円の上の点 \(T\) を接点とする接線が、円の弦 \(AB\) の延長と点 \(P\) で交わるとする。

このとき、

$$PA\cdot PB=PT^2$$

が成り立つ。



方べきの定理(その1)のときに、\(C\) と \(D\) が重なって \(T\) になったと思えば、

$$PC\cdot PD = PT\cdot PT =PT^2$$

となるので、納得できると思います。


方べきの定理(I)と(II)の関係

例題

例題2

下の図において、\(x\) の値を求めよ。


 例題2の解説 

公式に当てはめるだけですね。


方べきの定理(その2)より、

$$PA\cdot PB=PT^2$$

$$7\cdot 3 =x^2$$

$$x^2=21$$


\(x>0\) より、\(x=\sqrt{21}\) となります!

(例題2終わり)



証明

方べきの定理(その2)


方べきの定理(その2)も(その1)と同じように、相似を使います。


ということで、\(\triangle{PAT}\) \(\triangle{PTB}\) を示しましょう。


まず、\(\angle{PTA}=\angle{PBT}\) を示すために、接弦定理を使います。


接弦定理とは次のような関係のことです。


接弦定理

円 \(O\) が \(\triangle ABC\) に外接しているとする。

直線 \(AT\) が 円 \(O\) に接するとき、\(\angle ACB = \angle BAT\) が成り立つ。


逆に、\(\angle ACB = \angle BAT\) が成り立つなら、直線 \(AT\) は 円 \(O\) に接する。



\(\triangle{TAB}\) は円に内接しているので、接弦定理より、

$$\angle PTA = \angle PBT$$

が成り立ちます。



また、\(\angle TPA\) と \(\angle BPT\) は共通の角なので、

$$\angle TPA = \angle BPT$$

が成り立ちます。


よって、2つの角が等しいので、相似条件より、

\(\triangle{PAT}\) \(\triangle{PTB}\)

となります。


相似な三角形では、対応する辺の比は等しいので、

$$PA : PT = PT : PB$$

が成り立ちます。


あとは、比において「内側の積=外側の積」となるので、

$$PA\cdot PB =PT^2$$

となり、方べきの定理(その2)が成り立つことが示されました!


3. 方べきの定理の逆

方べきの定理については、逆が成り立ちます。


方べきの定理(その1)の逆

2つの線分 \(AB \ , \ CD\)(の延長)が、点 \(P\) で交わるとき、

$$PA\cdot PB=PC\cdot PD$$

が成り立つなら、4点 \(A \ , \ B \ , C \ , D\) は同一円周上にある。


方べきの定理(その2)の逆

同一直線上にない3点 \(A \ , B \ , T\)と、線分 \(AB\) の延長上の点 \(P\) について、

$$PA\cdot PB=PT^2$$

が成り立つなら、\(PT\) は3点 \(A \ , B \ , T\) を通る円の接線となる。

図形の性質数学A
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